会社を内部から観察する・・社長のための老子(47)

老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第五十四章です。


この54章は、老子のなかでは少し異質です。儒教の教えが混ざった感じです。

例によって、会社に置き換えて意訳します。

社長は会社を内側からしっかり観察すれば、方向性を誤らないですみます。

※ 2行目 ”輟”は、”途切れる”という意味です。

 

善建者不抜。

善抱者不脱。

子孫以祭祀不輟。  

修之於身、其徳乃眞。

修之於家、其徳乃餘。

修之於郷、其徳乃長。

修之於国、其徳乃豊。

修之於天下、其徳乃普。

故以身観身、以家観家、以郷観郷、以国観国、以天下観天下。

吾何以知天下然哉。

以此。

 

しっかり建てた計画であれば抜かりはない。

しっかり育成した人材であれば辞めることはない。

そうすれば、次代の社員になっても会社の活動が途切れることはない。

社員一人一人がやるべきことをやれば、成果は真実である。

グループでこれを実践すれば、あまりある効果が上がる。

部課でこれを実践すれば、成長は長く続く。

事業部でこれを実践すれば、利益が豊かになる。

会社全体で実践すれば、社員だけでなく家族や関係先にも幸福が行き渡る。

だから、社員を観察して社員を、グループを観察してグループを、部課を観察して部課を、事業部を観察して事業部を、会社を観察して会社を判断しなければならない。

私はこのように(それぞれの単位で)観察していくことで、経営の方向性を見極めていきます。