老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第五十四章です。
この54章は、老子のなかでは少し異質です。儒教の教えが混ざった感じです。
例によって、会社に置き換えて意訳します。
社長は会社を内側からしっかり観察すれば、方向性を誤らないですみます。
※ 2行目 ”輟”は、”途切れる”という意味です。
善建者不抜。
善抱者不脱。
子孫以祭祀不輟。
修之於身、其徳乃眞。
修之於家、其徳乃餘。
修之於郷、其徳乃長。
修之於国、其徳乃豊。
修之於天下、其徳乃普。
故以身観身、以家観家、以郷観郷、以国観国、以天下観天下。
吾何以知天下然哉。
以此。
しっかり建てた計画であれば抜かりはない。
しっかり育成した人材であれば辞めることはない。
そうすれば、次代の社員になっても会社の活動が途切れることはない。
社員一人一人がやるべきことをやれば、成果は真実である。
グループでこれを実践すれば、あまりある効果が上がる。
部課でこれを実践すれば、成長は長く続く。
事業部でこれを実践すれば、利益が豊かになる。
会社全体で実践すれば、社員だけでなく家族や関係先にも幸福が行き渡る。
だから、社員を観察して社員を、グループを観察してグループを、部課を観察して部課を、事業部を観察して事業部を、会社を観察して会社を判断しなければならない。
私はこのように(それぞれの単位で)観察していくことで、経営の方向性を見極めていきます。