大阪都構想が否決された理由の一つにプレゼン資料の作り方があるような気がします。
先ほど、大阪維新の会のHPを覗いてみましたが、放心状態なのか投票日の5月17日から更新されていませんでした。
トップページでは、にこやかに橋下大阪市長が投票を呼び掛けています。
これはこれで、いかがなものでしょうか。投票日までは毎日更新していたわけですから、否決されたとは言え、支持者に対して結果報告くらいは掲載するべきでしょうね。
大阪維新の会がなくなるわけでも、政治活動を止めるわけでもないのですから・・。
さて、今回の住民投票の特徴の一つに、650回という非常に多くのタウンミーティングが開かれて、その際に多くのプレゼン資料(パネル)が使われたことがあります。
私は、このプレゼン資料が敗因になったのではないか?と少し疑っています。
データをデフォルメしたグラフや、単純化した図表で比較しているのですが、少々胡散臭いという印象を与えたのではないでしょうか。大阪のノリと言ってしまえばそうなのかも知れませんが、大阪市の行政区分けを変更する投票ですから、もう少し抑制的なプレゼンでもよかったように思います。
二重行政の事例として、りんくうタウンゲートタワー(府)vs.テクノポート大阪WTC(市)が最初のパネルに出てきますが、それぞれ1992年と1991年に着工されたビルだそうです。二重行政と言うよりバブル時代の忘れものという感じがします。
他にも、上下二つ並んでいるグラフで起点の年と終点の年を変えていたり、上は大阪vs.東京のグラフで、下は大阪vs.全国のグラフだったりします。大阪と東京の比較する図では大阪市と東京特別区の大きさの比を変えていたり、更には何故か大阪市と京都府&広島県を比較したりします。
最後のは、「大阪市268万人に市長は1人に対して京都府263万人に市町村長は26人もいる。だから大阪を5つの特別区にして5人で統治する。」という説明なのですが、人口147万人の京都市に市長は1人ですからちょっとピント外れな感じがします。
ビジュアル的に印象に残りやすいように工夫をしているのでしょうが、「好いとこ取り」の印象を持たれて、少しやりすぎたかなと思います。
私たちも、最近はパワーポイントで綺麗で見栄えのよいプレゼン資料をたくさんつくります。
その時には、強調したい部分を色づけしたり、更にはアニメーションで動かしてみたり、いろいろな工夫をします。一目で理解してもらうのには有効です。
今回の教訓は、相手に考えてもらいたいときには、少々判り難いくらいなプレゼン資料を提示したほうが効果的だと言うことかも知れません。