工場で敷地境界の騒音測定をする際には、除外すべき音の処理が難しいです。
工業地域にあって隣接した住宅がない工場でも、騒音規制法(条例)の定めがありますので、敷地境界線上で騒音測定をします。ところが、単純な測定では規制値以下の数字にならない場合があります。
敷地境界が緩衝緑地の場合には、鳥の声や虫の声、木の葉のこすれる音などが大きな数字で測定されます。道路の場合にはトラックなどの走行音、海の場合には波やうねりの音などです。やっかいなのは、隣にも特定工場がある場合で両方の騒音が混ざってしまう場合です。
こういう音を除外するやり方があって、工場からの騒音の大きさを求めるわけですが、結構厄介です。
工場では敷地境界の騒音を規制値以下にするようにいろいろな対策を施します。周りに住民がいなければ誰も困らないようなものですが、一定の歯止めと自己防衛のためにまじめに取り組んでいます。
保育園や児童公園での子どもの声がうるさいという苦情が増えているのだそうです。また、子どもの姿が見えるのが嫌だという苦情もあるのだそうです。
この対策として、園庭に高さ3mの防音壁を設けるとか、子どもに声を出さないように指導するとか、歌は歌わないとか、ということになっているところもあるそうです。
そういうなかで、東京都が条例を改正して、子どもの声を騒音の数値規制の対象から除外したということです。
小鳥や虫の声でも騒音規制法の騒音レベルを超えるのですから、子どもの声がうるさいのは当たり前なのですが、そもそも騒音規制の対象にするのはおかしいように思います。
騒音訴訟などでは、公共性と受忍限度というテーマがあります。
道路や空港の近くの騒音が規制値を超える場合などに、公益性や公共性を維持するために、可能な限りの対策はとるので、一定の限度の範囲では許容して欲しいという場合です。
子どもは親のものでなく、社会全体で育む存在ですから、子どもの声には少し寛容になって欲しいと思います。もちろん、苦情を出される側にもいろいろな事情があるので、お互いに理解し合って、可能な限りの対策をとることは必要です。
「子どもは子どもだからよい」という社会が望ましいです。
☞ 2015/05/05 子どもは子どもだからよい・・こどもの日