コアコンピタンスを磨く・・社長のための老子(45)

老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第五十二章です。


この章は、哲学として読むと、万物には根源である母があり、そこから生まれる子があり、母と子の生命は循環していくと言っています。

 

天下有始、以爲天下母。

既知其母、復知其子、

既知其子、復守其母、

没身不殆。

塞其兌、閇其門、終身不勤。

開其兌、濟其事、終身不救。

見小曰明、守柔曰強。

用其光、復歸其明、無遺身殃。

是謂習常。

 

発展してきた会社には何かの中核的な能力(コアコンピタンス)があるものです。

社長が、会社のコアコンピタンスが何かを把握して、それから生まれたビジネスとの関係を理解している。さらに、ビジネスの現状をよく把握して、そこからコアコンピタンスを理解しなおしている。とすれば、こんな会社には、危ないところは何もありません。

そういう社長は、会社を惑わすような外部からの情報は取り上げず、会社を危うくするような誘いは拒みますから、ずっと心配をする必要が無いのです。

もし社長が耳に心地よい情報や、優しい誘いに迂闊に乗るような人物ならば、その会社に救いはなくなります。

ありのままに細部まで状況を把握することを「明」と言い、しなやかに会社を守っていくことを「強」と言うのですが、社長はこの「明」と「強」を心がけることです。

社長が(外部の情報に惑わされずに)会社が長年蓄えた技術や経験を用いて、ありのままに状況を把握していれば、会社に災いを残すことはありません。

こんな社長は「習常(会社を永遠に発展させた人物)」と言われるようになります。

 

※ 老子33章では、

自分を知る人を「明」(他人を知るのは「智」)

自分に勝つ人を「強」(他人に勝つのは「力有り」

「明」で「強」な人が、志を遂げる。と言っています。