グローカルな話題ですが、下関市出身の林芳正農相がミラノ万博ですき焼きを食べたというニュースがありました。
確かめたわけではありませんが、山口県以外ではニュースになっていないと思います。ミラノ万博が開催されていますが、報道が少ないように思います。まぁ、ちょっと遠いところで開かれているので仕方ないですが、もう少し話題になってもいいでしょう。
「食」がテーマの博覧会ですし、イタリアを含めてヨーロッパでも日本食がブームになっています。日本からの農産物輸出拡大のきっかけにもなりそうです。農林水産大臣の訪問も、和食を宣伝するのが目的のようです。
ところで万博ですが、過去の開催を遡って並べてみます。
2020年(ドバイ)・・予定
2015年 ミラノ
2010年 上海
2005年 名古屋
2000年 ハノーヴァー
1996年 <東京>・・中止
1992年 セビリア
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1970年 大阪
1964年 ニューヨーク
1958年 ブリュッセル
1)大阪万博以降、22年間に渡って万博は開かれませんでした。
日本人にとって、万博と言えば大阪万博です。名古屋(愛ちきゅう博)は、少し分が悪いですね。入場者数も6400万人vs.2200万人で大阪圧勝です。
大阪万博当時小4(9歳)でした。随分前からパンフレットを毎日眺めて訪問するパビリオンの順番を考えて楽しみにしていました。実際に、行ってみると人気のある展示は長蛇の列で、計画通りにはいかないのですが、空いている小国の合同展示館なども十分に楽しめました。
ロボットやマルチメディアを駆使した映像に胸躍らせる経験でした。(今思えば陳腐ですが、家には白黒テレビしかない時代です。)
但し、世界の万博の歴史にとっては、大阪万博はマイナスでした。岡本太郎が「爆発だ~!」と叫んだのですが、万博というイベントを爆発させてしまいました。あまりのお祭り騒ぎに、世界の国が集まって巨額の費用を掛けてまで博覧会をする時代でもないということになったわけです。
2)1992年にコロンブスのアメリカ大陸発見500周年を記念してスペインでセビリア万博が開催されました。22年ぶりの万博です。
大阪万博のお祭り騒ぎとは趣を変えて、「歴史や発見・発明」にフォーカスした落ち着いた博覧会でした。1975年にフランコ独裁が集結して民主化したスペインは1986年にEC加盟を果たし、この年のセビリア万博とバルセロナ五輪で国際社会での地位を高めたわけです。
3)1996年には、東京万博(都市博)が予定されていたのですが、ドタキャンになりました。1995年の都知事選で青島幸男さんが当選して、前売り券まで販売していた博覧会でしたが公約通りに中止になったのです。どうも、万博にとって日本は鬼門でした。名古屋博の成功で前例が払しょくされてよかったと思います。
4)2000年のハノーヴァー以降は、セビリアを踏襲してテーマを絞った落ち着いた博覧会が開催されています。中国の上海万博でも、多少の混乱はありましたが予想よりは落ち着いた運営がおこなわれました。(入場者数7400万人・・周辺人口を考えれば少ないくらいです。)
さて、ミラノ万博の効果は不詳ですが、日本の食を宣伝する機会としてうまく活用してもらえればと思います。また、各国の考え方や最新情報をしっかり知ることも重要です。