アメリカやヨーロッパの工場では(ブルーカラー)単能工の給与は皆同じです。
たまたま、日曜の朝のテレビ討論を観ていて、ちょっと気になりました。
いわゆる「ホワイトカラーエグゼンプション」が導入されるはこびです。「派遣法の改正(改悪)」も同時に行われます。
このため、目標も意味も違うのですが与野党ともに「同一労働同一賃金」の大合唱になっています。
<以下、全部が全部ということはないので、ご注意を>
中国の工場に行くと、建物の入り口に大きな掲示板が揚げてありました。大きな写真入りで、今月の優良工員が紹介されています。名前・所属・どんな理由で優良と評価されたのかが、華やかに書いてあります。加えて、報奨金や賃金アップについてもどうどうと書いてあります。
更に、成績の悪い工員も大きな写真入りで紹介されています。どんな失敗をして、工場にどんな損失を出したのか、罰金や降格についても書いてあります。
同一労働でも仕事ぶりによって、賃金に大きな差が出る仕組みです。
一方で、アメリカやヨーロッパの工場では、同じ仕事をするブルーカラーの処遇は皆ほとんど同じです。年齢や経験に関わらず、変わりません。つまり、部品Aを部品Bに取り付ける仕事は10ドルと決められている。同一労働だから同一賃金というわけです。
日本で考えると、ベテランで部品Aを部品CやDにでも取り付けることができる人と、その仕事しか出来ない新入社員が同じ賃金というのは変です。今、新入社員が部品Aを部品Bに取り付けているのは、昨日ベテランが教えたとしてもです。欧米では、賃金は仕事に払うのだから、当たり前だそうです。
日本では現場の方の発言力は強く、経営や作業環境についても明確な意思を伝えることができます。個人ではなく、チームとしてよい仕事をするための改善を進めていきます。
また、賃金は職能給という考えです。賃金や処遇は、働く人の仕事する能力に対して支払うという意味です。同じ仕事をしても、能力が高いベテランにはたくさんの賃金を払います。
どういう制度が、よい製品を作れるのか、生産性が高まるのか、という視点でも考えていかないといけないように思います。