ペットを飼う・ペットと暮らす・・食事はササミとサーモンと鯛?

 日本では、およそ1200万匹の犬と1000万匹の猫が飼われています。


 某ニュースキャスターさんは、二匹のフレンチブルドックを飼われています。ある番組で、ペットの食事について訊ねられて、「ウチは、手作りなんですよ、ご飯は全部。(中略)普段は手作りで、ササミとかサーモンとか鯛とか食べてますよ」と言われたそうです。

 

 日本では、ペットに関する問題がときどき話題になります。

 ペットを繁殖させたり売買する業者が動物愛護の精神に反する扱いをするケース。珍しい外来種のペットが放逐されて日本の在来生物種を駆逐したり、人や作物に被害を与える。野良猫や野良犬を餌付けする人がいて、糞や鳴き声で近所の人が迷惑する。動物アレルギー(ペット喘息とか)に罹る人が増えていて、重症化する人もいる。・・・・

 

 最近では、核家族化と高齢化が進んだ一人暮らしの家庭に飼われているペットの問題があります。

 一般に犬や猫は寿命が10~15年ですから、人間のほうが看取ることが多くなります。ペットだけが家族という高齢者では、ペットの死を受け止められず、精神的に参ってしまいます。 

 逆に人間の側が病気になったり、先に逝ってしまうとペットが取り残されることになります。引き取り手がないペットは処分されたり、事情によっては野良になります。

 

 ペットと共に暮らすことで、生活のクオリティーが大きく改善されます。ただ、ペットを飼い続けるのは、高齢者に限らずたいへんです。よく計画を立てて、周りの人々や環境への配慮を十分に行って欲しいと思います。

 

 さて、最初に戻ってペットの食事です。

 日本のペットフード市場は約2700億円ですが、ペットの食費で考えると年間7000億円ほどと推計されています。内訳としては犬が6割・猫が3割・その他が1割くらいです。

 ざっとの計算で、犬1匹の食費は年間4万円弱(月3000円=日100円)という見当になります。だいたい、こんなものでしょうか? 

 

 日本の成人の平均食費は約23,000円ですから、犬8匹で人間1人分ですね。

 但し、少し想像力を発揮してみましょう。世界人口の半分以上は日100円以下の食費で生活しています。現在でも、世界の飢餓人口は約8.5億人です。

 こういう意味では、キャスターさんに限らず、日本でペットを飼うのは贅沢なことです。可能なら、世界のことにも目を向けて、ほんの少しできることがないかも考えてみてください。