ロボット新戦略があなたの仕事を奪うかも知れませんよ!?

 政府の「ロボット新戦略」について知る機会がありました。


 日本が世界のロボット大国であることは周知のことです。2011年の統計で、世界の産業用ロボット市場は1兆7000億円で、日本メーカーのシェアはほぼ50%です。企業名では、世界1位がファナックで、2・3位は欧州企業、4位が安川電機・5位が川崎重工という順位です。・・スゴイ!!

 

 政府の試算では、日本のロボット産業市場は2020年には1兆6000億円、2030年には2兆8000億円になるそうです。つまり、現在の10年間で2倍になり、次の10年間でまた2倍になるというスピードです。ものづくりに関わる企業は、ロボット市場に注目しなければなりません。

 

 ロボットの用途も、現在は製造業分野が大半ですが、今後は生活・福祉分野と公共・防災分野での拡大が予測されています。

 生活・福祉分野は高齢者介護用の支援機器がたくさん提案されていますが、個人の異なる事情に合わせることが求められ、面的な拡がりが大きい分野です。

 一方で、公共・防災部門は規模的に急激に伸びそうです。防災・減災だけでなく、高度成長期に作られた施設の老朽化メンテナンスにもニーズがあります。

 いずれの分野も、肉体的に辛かったり危険だったりして、人手ではやりにくい、従事する人が集めにくい分野です。市場拡大が確実に見込めます。

 また、現在でも日本のロボット産業の70%は輸出されています。今後は中国や途上国でのニーズが爆発的に増えますから、信頼性に勝る日本のロボット産業は今後も伸びていきます。そうすると、相手国向けのカスタマイズが必要になって仕様が細かくなります。裾野が広い産業でもありますから、中小製造業が関連する技術や設備を研究していく余地はたくさんあります。

 

 さて、人手不足の分野にロボットが参入するのは、働く人にとっては、よいことばかりではありません。人間の仕事がロボットに奪われるかも知れません。逆に言えば、人の側がロボットに出来ない技術や能力を身に着けることはとても大事です。また、そういう創造的な教育訓練をすることも重要な要素です。

 

 他人事ではないですよね。

 産業革命で何千万人の機械労働者の仕事が奪われて、ヨーロッパ各地で暴動がおこりました。

 また、近いところでは、IT革命時代のコンピューターの普及が数百万人の知的労働者に職を失させました。何せ、国立国会図書館の全ての書籍でもデオデオで売っているパソコンに全部入るのですから、どんなに博覧強記な方でもパソコンにすら勝つことはできません。

 

 確かにコンピューターは凄いのですが、このボリュームの記憶ができるのはデジタル(文字)情報です。画像や映像ですとメモリーの容量を一気に使うので全てのことを記憶して瞬時にアクセスすることができません。また曖昧な情報や想いとつなぎ合わせるのも苦手です。

 人間は画像や映像、意思や感情や情緒のようなデジタルに評価できないような領域で、仕事をしていくことですね。 生活・福祉分野でも意思決定者は人ですし、公共・防災分野でもロボットそのものの品質管理をするのは人になります。

 30年後にロボットがどのように生活に入り込んでいるのか、興味津々です。


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 1週間ほど前から、軒先でツバメが営巣をはじめています。毎日、様子を見守っています。