東京と地方の物価の違いはどうなっていくか

東京と地方の物価の差がこれからどうなっていくのかを考えることは大切です。

 

今週、全国で地価公示価格が発表されています。アベノミクスの追い風もあって、東京都の平均地価は3年間で16%上昇しました。一方で、山口県は今年も僅かながら下落して、3年間の合計で1%下がりました。地価で言えば、東京と山口の格差はどんどん広がっています。

ちなみに、東京都と山口県の単位面積当たりの地価の格差は約21倍です。また、最も高価な土地の値段は、東京都では3380万円(1坪が1億円を超える!!)で山口県では19万円ですから、なんと180倍になります。

 

一方で消費者物価の上昇はその逆で、東京都より山口県のほうが0.5%ほど高くなっています。もともとの物価そのものは東京のほうがかなり高いのですが、その格差は僅かながら縮小に向かっています。

物価には大きく分けて、モノの値段とサービスの値段があります。モノの値段は保管や物流が進歩することによって、以前は生産地と消費地で異なっていたものが、徐々に均質化していきます。店舗を持たない販売も増えています。東京の物価を下げる方向です。つまり、東京に持って行っても、思うより高くは売れないようになっていきます。東京と地方の物価格差を縮小させる働きです。

 

一方でサービスは、店舗など場所が必要ですから、土地の値段も上がっていますし、賃金も上がりますので格差が広がっています。東京の物価を上げる方向です。つまり、東京でサービスを受けると思うより大きなお金がかかるようになっていきます。この傾向は今後も続きます。

 

こういうなかで、地方の事業者は市場としての東京をどう見て、自社の行き方をどう考えるべきでしょうか。モノづくりをして東京を市場とみる場合、サービスを提供する場合、またそれぞれの逆の場合があると思いますが、大きな流れを見ておくことは経営戦略にとって大切です。