そもそも補助金は公益性があるものではないのか?

「政治とカネ」という議論がされていますが、ちょっと気になります。

 

話題になっているのは「補助金、負担金、利子補給などの交付決定を受けた企業からの献金を1年間は受けてはならない」という政治資金規正法に違反しているということです。

 

今は、各企業が26年度補正で決定した各種補助金の申請をしている時期ですが、日本の企業グループあるいは団体で補助金などを一切受けていないというところがあるのでしょうか?

トヨタ自動車やNTTなどの世界企業から町の中小企業まで、さらに学校やNPOなどの団体など、何らかの補助金は受けていると思います。

 

 

そもそも補助金とは何かを整理しなければなりません。政治家に袖の下を渡して、国から不正にお金を出させた結果と考えているのでしょうか。今の日本でそんなことはできません。

国からの補助金とは、国家的な見地から直接的あるいは間接的に公益性が認められる事業にだけ供されるものです。きちんとした審査があり、費用対効果が明確になっているから交付されるものです。さらに、今回話題の事業者などは、主に税というかたちで交付された補助金をはるかに超える額を国に納めていますので、ただ収入を得たわけでもありません。

 

次に政治資金とは何かですが、民主主義国家において政治家(国会議員)の役割は重要です。きちんとした政治活動には、調査や立案のためのスタッフが必要ですからそれなりの費用がかかるはずです。トンデモ議員が存在することも事実ですが、過半数の議員はきちんと活動しているものと信じます。その費用の一部を、国をよくしてもらいたいと願う民間事業者が寄付することも認められると思います。

 

補助金交付事業者からの献金禁止というルールそのものが、ちょっと納得できません。

 

最後に、今回の問題は各政治家が自ら提出して、公開されている「政治資金収支報告書」で明らかになっています。秘匿されたお金の出入りではないのですから、国会の貴重な議論の時間をつぶすのではなく、きちんと監査すれば足ることと思います。