何故か、宝くじの話になりました。最低10枚、普通は30枚単位で購入するのだそうです。
宝くじに当たったことも外れたこともありません。言葉を替えれば、宝くじで儲けたことも損したこともありません。
買わないからです。
投資した金額に対して期待されるリターンを期待値と言いますが、宝くじの場合300円を投資して場合の期待値は140.7円(46.9%)です。
更に、宝くじは売り場に買いに行かなければなりませんので、その分の経費もかかります。簡単に言えば、かなり効率の低い投資となって、経済合理性から言えば買わないのが正しいです。
それでも購入するのは、非経済的な効用があるからです。6億円当たったら何に使おうかというワクワク感や当選発表を待つときのドキドキ感を楽しみにしています。
また宝くじの収益の41.2%は社会貢献活動に使われますので、そういう人は少ないかも知れませんが寄付と考えている人もいるでしょう。こういう効用を考えれば、購入を楽しむことは当然です。
ここで、戻って何故10枚とか30枚とかまとめて購入するのでしょうか?実は、先ほどの効用は当選するかもしれない6億円という価値が持っているものです。したがって、投資に対して最大の効用を得るには、1枚だけ購入するのが正しい行動だと思われます。
10枚買えば1枚は300円当たるというのは理由になるでしょうか?6億円当選する人は平均30枚購入しているというのは、因果関係が逆のようです。(30枚購入する人が多いというだけですね。)
宝くじは、たくさん買えば、たくさん損する商品です。
ここに宝くじの販売戦略があります。
売上高を上げる5原則とは、以下の5つです。
1.新規顧客の獲得
2.既存顧客の維持
3.購買頻度を上げる
4.購買数を増やす
5.購買単価を増やす
宝くじ販売の場合は、特に「4.購買数を増やす」という戦略のよい教材になります。
年間売上9,150億円(平成24年)という巨大市場であり、3,800億円が自治体などで社会貢献に使われています。今度、1枚買ってみましょうか。