環境マネジメントシステムの書類チェックして思うことです。
事業所の環境目標には、二酸化炭素排出量を年率何パーセント削減するというのが必ずあります。ただ何パーセント削減では、受注が大幅に増えた場合には困ってしまいます。そこで、二酸化炭素排出量を生産高や生産量で割って「原単位」というかたちにして、排出原単位の何パーセント削減とするのが一般的です。二酸化炭素排出量と生産活動をつなげることは大切です。
この環境目標に対して活動計画を立てるのですが、この計画が生産高や生産量と直結していない場合が多くみられます。活動計画の主項目が「不要照明の消灯」とか「エアコンの設定温度の管理」とかになる事例です。また、仮に生産活動に関係していても「生産計画の合理化」とか「省エネ機器への更新」というのが多くなっています。
しかし、生産活動に対して二酸化炭素排出原単位を改善するのに最も効果があるのは「不良品の削減」です。仮に出荷検査で不良となると、製造にかかったエネルギーに対して生産高がゼロですから原単位は無限大になります。そこまでいかなくても、工程の途中で不具合に気付いて手直しをした場合にもエネルギーのムダが発生します。
電気・水・空気があちらこちらで漏れているような管理状態が悪い事業所では、先ずその修理をしなければなりませんが、環境マネジメントシステムを構築しているような事業所の場合では、排出量原単位の改善には不良品の削減が最も効果があがるのが一般的です。
環境活動計画でも「不良品の削減」につながる活動を掲げるのは望ましいです。
そこで、「不良品の発生」をテーマにして、例えばナゼナゼ分析をしたり、特性要因図を書いてみます。そうすると、不良品発生の要因が人間関係にあったという場合がかなり多くあります。
「あれっ?ちょっとおかしいぞ」と思っても、先輩がやった仕事だから指摘できない。とか、ちょっと失敗したけど「まぁいいや」後の人が修正できる範囲だろう。とか、黙ってしまうのです。
これらは、日頃からのフランクな付き合いがあれば解決できます。
そう考えれば、昔からある「オアシス運動(おはよう・ありがとう・失礼します・すみません)」は、立派な環境活動です。