JTが飲料事業から撤退して「たばこ」に集中するとの報道です。日本の農産物輸出のトップは「たばこ」で約250億円です。
日本の農産物輸出は年約2650億円。
1位 たばこ 250億円・2位 アルコール飲料 210億円・3位 ソース混合調味料 200億円・4位 清涼飲料水 120億円・5位 豚の皮 100億円
これって農産物なのか?と言うようなものが並びます。アルコール飲料は清酒や焼酎よりビールが人気です。ソース混合調味料と言うのはマヨネーズ(キューピーのマヨネースは欧州などでも人気)とケチャップです。清涼飲料水ではポカリとオロナミンC。5位には豚の皮が入っていますが、鶏の足とか日本人が食材としない部分も海外では使われます。
農産物輸入額が7兆円を超えることもあって、日本は農産物輸出をほぼしていない国と言えます。TPPなど自由化が進んでいきます。中国で日本米の人気が沸騰しているように、これからは日本産農産物の認知が拡がって、輸出が伸びていくことを期待されます。
ベンチマークにしているのは「オランダ」です。
オランダは九州ほどの面積に、人口1650万人です。農地面積にしても、日本の4分の1しかありません。しかし、農産物輸出額は約8兆円で米国に次ぐ世界第2位の地位を占めています。一人当たりGDPが日本の1.3倍もある豊かな国で、農業者も高額所得者です。
オランダは、農業を国の主要産業と明確に位置付けて、衛星GPSなど先進のIT技術を活用した精密な生産管理や、完全閉鎖型植物工場など施設農業、酪農ふん尿のエネルギー利用、徹底した流通効率化などで、輸出競争力を高めています。
オランダは陸続きでヨーロッパの国々に輸出できるのだから、海に囲まれた日本とは訳が違うだろうと言う意見も聞こえてきそうですが・・
オランダから日本への農産物輸出額(日本の輸入額)は、2013年に2624百万ドル(約2700億円)です。日本が全世界に輸出している金額とほぼ同じです。もっとも、その70%以上はやはりタバコ(フィリップモリス・マルボロ・キャメルなどはオランダのブランドです)なのですが、豚肉で70百万ドル、生鮮野菜ですら38百万ドルもあります。
技術立国・日本でも、攻めの農業ができないわけはありませんね。