「イスラム国」他に対してできること

日本人ジャーナリストとヨルダン人パイロットが人質になったままです。

 

「イスラム国」は承認された国家ではありませんが、疑似的には国家に近い存在と言えます。

国家が国民を統治する方法は、国民の生活を保証して豊かにしていくこと。国民の安全を確保して平穏な生活を続けさせることにあります。これは、会社やそれ以外の団体でも、そこに所属する理由は基本的には同じです。「イスラム国」もある側面から観れば、イスラム教を隠れ蓑にしたビジネス集団とも言えます。

 

もちろん、国家の場合はその土地に生まれた者が集まっている。言葉や文化、宗教的なものを含む価値観が親和しているということも重要な要素ですが、マズローの欲求5段階説を持ち出すまでもなく、生理的欲求・安全欲求が満たされてのことです。

 

 

ところが、国民や構成員の生活や安全を保障できない場合に統治するには「力」。言葉を替えれば「恐怖」を以って行うようになります。

「イスラム国」だけでなく、「ボコハラム」も「アルカイダ」も似通っています。日本の「連合赤軍」や「オウム真理教」も全く同じで、残忍な手法で恐怖による統治をおこないました。「やくざ」や「マフィア」なんかも同じです。お隣の「北朝鮮」でも、独裁者が第一の側近を粛清するなど、人に非ざるような露骨な行いが行われています。

 

こういう事態を無くす方法は、その国家や組織を豊かにして安定させることです。

独裁者を利することが判っていながらも国際社会が北朝鮮に対して支援をするのは、それが目的です。もちろん最大の目的は人道的なものですが、国民を人質にしているとも言えます。

それでは、「イスラム国」を経済的に支援して豊かにするか?と言うと、現時点では到底できません。

 

ただ、国民を豊かにして生活を安定させる方法には、もう一つあるような気がします。

それは、教育です。特に、読み書きそろばんの基本的な能力と、自然科学(歴史や宗教などは含まない)に関する基礎的な知識を提供することが効果があります。自分で読み、自分で考えることができる人を増やすこと。自分でルールを見極めて、作ることのできる人を育てることです。

 

日本として、「イスラム国」の周辺国への人道的支援をおこなうわけですが、この地域のあらゆる子供たちや若者に対する教育支援をおこなうというような政策はできないでしょうか。

日本が非宗教的な国家であり、且つ自然科学の分野で優れた国であることは、中東地域においてもよく知られています。国のレベルでおこなうには冒険的で挑戦的な取り組みですが、考慮の余地はないでしょうか。