秘密保護法の秘密と国民の定義

 マスコミでは秘密保護法が国民の知る権利を侵すという論調の話が賑わしています。


 特定秘密の定義が曖昧であって、恣意的に広げられる恐れがある。国民には知る権利があるので、秘密を持たずにオープンでよいではないかという論調です。どうも、マスコミの皆さんのつんのめった話し方・書き方には少し違和感があります。

 

 しかし、私は政府の防衛情報や外交情報を知りたいとは思いません。そんなものを知っても仕方ないですし、誰でもがそんな危なっかしい情報にアクセスできるという状態が善いとはとても思えません。そういう情報を知りたい知りたいと願う人は誰なんでしょうか?

 

 定義と言う意味では、国民の知る権利という時の「国民」をどう定義するのかという問題もあります。日本国の最高法規である憲法でも「国民」は定義されていません。条文のなかには、「国民」「全て国民」「日本国民」「何人も」と複数の用語が使われており、それぞれが示す範囲が曖昧で、解釈がいろいろあります。

 憲法11条の「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」の「国民」には「我が国に在留する外国人も含む」という最高裁判決さえもあります。

 

 国民とは、日本に在留する人なのか、日本国籍を有する人なのか。どちらの場合でも、日本を侵略しよう、破壊しようと考えている人も国民に含まれてしまいます。そういう人にも知る権利があって、知らせる義務があるというのは、ちょっと行き過ぎのように思います。

 もっとも、政治家などの秘密を保護する側の人たちのなかに、日本を守ろうとしない人が混ざっていないかは確かに少し心配です。


 何となく昨日のブログと論調が異なるのですが、現実に差し迫ったリスクが感じられるときには安全サイドに考えるべきだと思います。