生きとし生けるものは,すべて仏陀になる可能性 (仏性) をもっている。
仏教の基本的な概念です。この教えによって、復讐することは禁止されています。
復讐を繰り返しても、どこにも救いがないことは明らかです。暴力に暴力で対抗し、血を血で洗っていけば、どこにも終わりがありません。
フランス・パリで、イスラム過激派の兄弟によって、新聞社が襲撃されました。「ムハンマドの復讐」と叫んでいたという報道です。
イスラム教では同害報復という考えがあるように言われます。いわゆる、死に死を、目には目を。歯には歯を・・ という話です。しかし、この考えも復讐の連鎖を抑止するために考えられたものです。そもそも、7世紀においてイスラム教が興り広まったのは、それまで行われていた偶像崇拝や生贄の儀式を廃止して、祈りや断食に替え、復讐の習慣を禁止して、友愛と慈善の精神を涵養したこと。特に、寡婦と孤児その他の貧しい者への救済をおこなったことによります。
復讐の連鎖を止めるには、生きとし生けるものすべてへの、尊敬と信頼を示すことだと思います。