古今東西、ギャンブル必勝法を開発した人はたくさんいます。但し、必ず不幸な最後を遂げます。
有名なギャンブル必勝法に「マーチンゲール法」というのがあります。
例えば、あなたが10万円持っていて、ルーレットをするとします。尚、ルーレットの枠は38で赤あるいは黒は各18で残り2つが緑です。
あなたは、赤に100円賭けて、1回で赤が出たら100円儲かるので、これで勝ち逃げします。
もし黒や緑が出たら、今度は赤に200円賭けます。赤が出たら、先ほど擦った分を取り戻して100円が儲かるので、これで勝ち逃げします。このように、負けたら2倍賭けることを繰り返していけば必ず儲かるというが「マーチンゲール法」です。
但し、この必勝法には大きな問題があります。それは、いつも100円しか儲からないことと、そもそも何も面白くないことです。それでも、塵も積もれば山になると考えて地道に100円づつ賭けていこうと思う人も出てくるかも知れません。
そこで、1回目の掛け金を1000円にしたとします。この場合、最多で6回のゲームが可能で、その間に赤が出ればあなたは”確実に”1000円儲かります。
6回の間に赤が出る確率は、1-(1-18/38)^6 ≒ 97.9% です。
つまり、”確実に”と言っても、2.1%の確率では、1000円儲からないで掛け金を擦ってしまうことになります。その際に失う金額は6万3000円です。
したがって、この方法でルーレットをした場合の「期待値」は
1000×0.979-63000×0.021 ≒ -360円 となり、平均的には360円の損失となってしまします。つまり、この方法は「必勝法」ではありません。
100円づつ儲ける場合も同じで、勝てる確率は99.7%に高まりますが、赤が1度も出ない確率が0.3%あります。「期待値」はやはりマイナス(58円の損失)になります。
もし、あなたの所持金が10万円でなく100万円でも1億円でも、限りがある以上は「期待値」はマイナスになります。無限の財力があるならば、「マーチンゲール法」は必勝法と言えるかもしれません。もっとも、1億円持っているなら、他の方法で100円儲けるほうが賢いですよね。
完全に公正な?ギャンブルでも、必勝法は無いわけで、ましてや胴元が操作するようなギャンブルで勝てるはずはありません。堅実を旨として、仕事をしていきましょう。