人は哲学を学ぶのではなく、哲学することを学ぶだけである （カントの言葉）
テキスト（文章）をそのまま文字通りに理解するのは子供の読み方。全てを虚構と切り捨てるのは安易で楽だが大人がすることではない。裏に隠されている事実や社会的意識を発見するのが科学的な読み方。だそうです。
科学では客観的な事実の観測によって法則性や仕組みを見つけます。つまり実証することが可能です。これは裏返せば反論することも可能であるということです。
一方で、哲学とは世界や人生の目的や価値を問うものです。万人に普遍な世界や人生はあり得ませんから、個人や集団毎の目的や価値があります。これは実証することが不可能で、反論することも不可能です。
個人や集団は、世界や人生の内側で生きています。普通に暮していて宇宙に浮かぶ地球という球体を見ること感じることができないように、人は世界や人生を見ることはできません。
哲学や歴史は文章を通してしか学べませんが、文章は社会的存在であって社会的意識が反映されています。そもそも歴史とは実証不可能で反論することもできないものと心得ます。
カントの言葉を言い換えれば、「人は歴史を学ぶことはできない。歴史から何らかの真理を発見するように頭を働かせることだけが人にできること。」だと思います。