お昼前に自宅に立ち寄った際に、偶然にEテレの「東北発☆未来塾」でIT農業家の岩佐大輝さんが語っているのを観ました。
IT農業のゴールデンルールは「全部売り切って経営が成り立つ」というものだそうです。
そもそも、農業では生産物にばらつきがでることが避けられません。大きい人・小さい人、太った人・痩せた人があるのと同じで、どんなにITで制御しても、生物である以上は個体差があります。
岩佐さんの代名詞は、食べる宝石「MIGAKI-ICHIGO~みがきいちご~」という、一粒1000円以上する高級苺だそうです。これは厳選された苺を丁寧に包装して販売しているわけですが、当然ながら基準に外れた苺もあります。
もちろん、そんな苺もとても美味しいので、セカンドブランドの商品としたり、加工用に使ったりして、とにかく「全部売り切る」のだそうです。
これまでの農業には、このような「歩留まり」の考え方が乏しかったと思います。収穫して出荷するものを生産量として数えるだけで、農地面積当りの収穫量を指標にしていました。出荷できない農産物を放棄することにも躊躇はあまりなかったようです。
工業製品であれば、製造量と出荷量のギャップを歩留まりを測り、反対から言えば「不良率」として管理します。歩留まり・収量アップ、不良率ゼロを達成するために、あらゆる努力を傾けます。
これからの農業では、いかにして歩留まりを向上させるかが課題です。
不良品が発生した原因を追究して再発防止対策をとること。いろいろなブランドや、複数の使途を確保して「育てたすべての農産物を食品として売り切る」という意識がKSF(成功のカギ)だということです。