宇部では台風19号は長い時間の強風はありましたが、大きな被害はもたらしませんでした。
山口県は天災の少ないところとして有名です。企業誘致においても、この利点をアピールすることがよくあります。実際、東日本大震災以降BCPの観点から、リスク分散を図るために県内に工場を新設したり、既存工場の機能を厚くした企業はいくつもあります。
しかし、山口県でも1991年の19号台風、1999年の18号台風の大きな被害が印象に残ります。わたしは、91年当時は工場の製造班長で、99年は工務課長でした。どちらも、工場は完全停止を余儀無くされるほどの大被害となりました。本当にいろいろなことがあって、多くの教訓を得ました。
ただ、9119号は夕方、9918号は朝に、最も接近したことが幸いでした。どちらも日勤者の就業時間帯では無かったのですが、平日の明るい時間で、保安要員に十分な人数が確保できました。断続的な停電や通信の遮断、建屋内の浸水があったので、必要な機側や電気やガスなどの保安要員は不可欠でした。
近年の工場では、省力化が進んで人員も厳選されています。また、協力会社員に仕事を任せることも増えています。福島原発事故の動画で、「その運転は○○興産の人しか知らないから。」という会話も聞こえました。平日夕方で人数は居ても、担当しかできないでは役に立ちません。
連続操業の工場では、休日夜間に被災することを想定して、技能と意思を持った人員を、最低限確保できるように準備しておくことが大切です。