浜松ホトニクスは、ユニークなオンリーワン&ナンバーワン企業です。
浜ホトの光電子倍増管が、IEEE(米国電気電子学会)の「マイルストーン」に認定されました。浜ホトは、売上高1000億円の大企業で超々優良企業ですが、売上高や収益では計れない価値のある会社です。一度、浜ホトのホームページをご覧ください。
社長メッセージが「絶対真理への挑戦」
会社ビジョンが「人類の知らないこと、できないことはまだ無限に存在している。」
とあります。
徹底した研究開発型の組織で、ここまで優良な会社は少ないと思います。
天然資源に恵まれない日本では、こういう成功する研究開発型企業が増えていくことが、とても大切だと思います。また、浜松という地方都市にあるエンジニアリング系の企業であるということも大切な要素です。
浜ホトの光電子倍増管はカミオカンデで使われて、世界で初めて宇宙から飛んできたニュートリノを捕まえました。この功績でノーベル物理学賞を受賞した小柴博士に絡んで、浜ホトの知名度は一層あがりました。好好爺然とした、ちょっと変人の小柴博士のキャラクターは日本人は大好きです。
ちなみに、同じ年の化学賞が、やはりキャラの立った島津製作所の田中耕一学士(ノーベル賞自然科学の分野で博士号を持っていなかった唯一の方)です。史上初の日本人ダブル受賞に加えて、極めて対照的でおかしな二人に、日本中が大興奮しました。
小柴博士のニュートリノ発見のエピソードというのも有名です。
1931年に「パウリの排他律」で有名なスイスの物理学者パウリが、質量がなくて電荷をもたない素粒子が「絶対に発見できないが存在する」と予言しました。これがニュートリノです。
ニュートリノは、宇宙から大量に飛んできていますが、あらゆるもの(わたしたちの身体のなかも)を通過して反応もしないので見つけることができませんでした。
1987年2月にカミオカンデが、世界で初めて大量(といっても11個)のニュートリノを検出しました。小柴博士の定年退官の1か月前のことだったそうです。
しかも、検出されたニュートリノは地球から16万光年離れた大マゼラン星雲で起きた超新星爆発で生じたものです。つまり、16万年前に生まれた素粒子を、定年退官の1か月前に見つけたわけです。
ノーベル賞につながったこの発見を、幸運と片づけるわけにはいきません。