老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第二十章です。
この章はちょっと長い。また、解釈が難しい。そこで、訳は素直じゃないので、悪しからず。
社長を務めるのは、とてもたいへんなんだと感じてください。
絶學無憂。
唯之與阿、相去幾何。善之與惡、相去何若。
人之所畏、不可不畏。荒兮其未央哉。
衆人煕煕、如享太牢、如春登臺。我獨怕兮其未兆、如孾兒之未孩。乘乘兮若無所歸。
衆人皆有餘。而我獨若遺。我愚人之心也哉。沌沌兮。
俗人昭昭。我獨若昬。俗人察察。我獨悶悶。忽兮若海、漂兮若無所止。
衆人皆有以。而我獨頑似鄙。
我獨異於人、而貴食母。
【意訳】
わたし(経営者)は、もう勉強なんて止めてしまおうと思う。
そうすれば悩みがなくなるだろう。
「そりゃいい」と「ちょっとどうかな」にどれだけの違いがあるだろうか。
「素晴らしい」と「けしからん」にだって、大した違いがありはしない。
よその会社が恐れていることを自分も恐れているだけじゃないか。
何故、そんなことを怖がらないといけないのか。
他社は、ご馳走を食べながら春の行楽を楽しんでいるように、和やかで幸せそうじゃないか。
わたしは一人、会社に残って、生まれたばかりの赤ちゃんのように、外部のことに囚われないよう、目を閉じ、耳をふさいでいる。
わたしには会社しか帰るところが無いのだし、誰にも気づかれなくても構わない。
他社は、みんな満ち足りているのに、わたしには何もかも不足しているように感じる。
わたしは、きっと愚か者なのだろう。いろんなことが頭のなかをずっと駆け巡っている。
他社はみんな先行きが明るいのに、私の会社は今にも倒れそうだ。
他社は賢く素早く進むのに、わたしのところは思い悩んでばかりで一向に発展しない。
まるで、ゆっくりと波間を漂っている泡のようだし、風まかせに空を舞っているゴミのようだ。
他社はみんな有能なのに、わたしだけが頑固者で融通が利かない。
ここまで考えて、わたしの会社は他社とは違うので、周りのことは気にしないで、自然の道理だけに従って経営していくことに決めたのだ。