明日から土用。土用と言えば「うなぎ」ですが、「みかん」を食べたいと病気になった若旦那のお話しです。
「千両みかん」という落語をご存知でしょうか?
土用の暑い盛りに若旦那が原因不明の病で寝付いてしまいます。番頭がやっとのことで理由を聞き出したら「みかん」が食べたいと思いつめて、動けなくなったと言います。
番頭は、お家の一大事と、江戸中を真夏の「みかん」を探し回り、ようやく一つ見つけ出します。この「みかん」の値段が千両(今の価値なら1億円!)。
持ち帰って、皮を剥くと十房ある。若旦那は、七房食べたら、残り三房は両親と祖母に食べさせてと番頭に託します。
番頭、「みかんは千両、この三房は三百両(3000万円)。来年の年季明けで自分が頂けるのはせいぜい三十両(300万円)。・・ブツブツ」と独り言。
ついに、みかん三房持って行方不明になった。・・というオチです。
価格というものの本質を突いた話です。
価格はモノの価値で決まらず、誰が、何を、いつ、どこで、何故買いたいのかで決まります。逆に、どんなに素晴らしいモノでも、買いたいと思わない人には、目にも入りません。